白い粉の恐怖

情報提供者を囮に使い麻薬密売現場に乗り込んだものの主犯を取り逃がしてしまった取締官の須川。捕まった常習犯の1人・ユリ子は妊娠している事を理由に釈放して欲しいと須川に頼み込む。



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タイトルから丸わかりだけど、
「薬物、ダメ!ゼッタイ!」な物語。
小麦アレルギーの話ではないよ。(夏なのに寒・・)

一番の見所は、この取締官たちが仕掛ける、
小さなものから大がかりなものへと進む囮作戦だと思いつつも、
イマの時代に見ているせいか、
終戦後の雑多な街や人々の様子のが興味深かった。
当時の世の中の感覚と言うか、常識と言うか、
そう言ったもののイマとの違いにも驚きがあって。
イマでは差別用語と言われそうな言葉(呼び名)を普通に使ってたりとか。
(自分としては差別差別騒ぎすぎだと思う部分もある)
でも、普通に見える店でこそっと取引が行われてたり、
常習化した悪事に日本人の成りすましが絡んでたりとか、
一つを抑えてももぐら叩きみたいなのはイマもそうなのかもね?

庶民の女性視点からだと、
心の隙間に忍び込んだ白い粉の誘惑に抗えず
人生を支配され蝕まれてしまうユリ子や、
お見合い結婚で普通に生活してるつもりの須川の妻に
より気持ちが向いた感じ。

麻薬常習犯(ユリ子)を自分の家庭に匿う・・って、
小さな子供や若い娘(須川の妹かな)だって居るのに、
それが当然!の様に振る舞う須川・・。
で、お家もしっかり開けっぴろげ~・・。
一日中、風が吹き抜けていきそうな・・。
電話も家にはなく、設置してる家(大家?)からの呼び出しの時代。
人と人との信頼関係がイマよりはまだあった時代・・なのかも・・
とは思ったけれど。

それでもユリ子の様な人も居る訳で。
彼女が須川に抱いた感情がちょっと切ない。
せっかくヤクをやめる事が出来たと喜んでいたのに・・
あの、追立てられる様に街を徘徊するシーンは印象的だった。
須川の家庭に匿われてた間の彼女はどんな気持ちだったのか、
孤独感に拍車がかかっただけだったとしたら
もっと他に公的な良い方法はなかったのかとも思ったけど、
そんな所にまでまだ余裕のない時代だったんだろうな。
妻は妻で突然そんな人を連れて来られて戸惑ってたけど、
浮気を疑った修羅場にはならんかったし(爆)比較的冷静だったんじゃ?
靴下の一件からの顛末はもう仕方ないとしか・・。
彼女には自分の家庭(家族)を守る気持ちがあって当然だし。
ユリ子の最期の場も麻薬取締官の妻としてちゃんと務めたと思う。

薬物中毒者の骨はボロボロになるから火葬後には拾えない・・ってのは、
子供の頃に大人から聞かされた覚えがあったので、
なんだかその時に戻って改めて教えられてる様な感覚にもなったわ。
いや、もしかして大人たち、この映画を観て言ってたん?( ̄∇ ̄;

主演の三國連太郎は男前で、大勢の警察官の中にいてもすぐ判る。
でも態度がいつも淡泊・・と言うか、そっけない感じだったな。
ムカシの男はそんなもんなのか、それとも取締官と言う職業だからなのか、
それとも三國はいつもこんな感じの演技なのか?(謎)
ユリ子役は中原ひとみだったけど、歯磨きのCMくらいしか知らなくて
健全なご一家の上品なお母様~ってイメージしかなかったので、
こんな(いわゆる)汚れ役にはちょっと驚き。
でもイマで言えば岸井ゆきのチャンみたいな感じでなかなか良かった。


(監)村山新治 (脚)舟橋和郎 (原作)栗山信也
(主)三國連太郎 中原ひとみ 春丘典子 今井俊二 大村文武



★DVD等があるのかは不明・・。