ザ・バニシング-消失-

オランダからフランスにやって来たカップル、レックスとサスキア。トンネル内で車がトラブルを起こして喧嘩になるも仲直りをして旅を続ける二人はあるドライブインに立ち寄る。



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別タイトル「消失~ザ・バニッシング」だそうで。
何もわざわざ逆にしなくても(以下言いたい事は察してね笑)

それはともかく! 
タイトルがタイトルなだけに、
最初のトンネルの所でサスキアが居なくなるかと思ったけど
そうじゃなくてちょっと気が緩んだわ。
でもこの時の事が後のレックスの心理に深く関わってしまったり、
物語全体やラストへの道筋をも表してる様にも感じて、
思い出すとちょっと恐くなってくる。

ほんのちょっと、の事で彼女の運命が変わってしまって、
いや、それが彼女じゃなくても非道なのは同じだけど、
そう言う時間的描写には無差別犯罪の恐ろしさも伝わって来る。

でも犯人は至って普通っぽい人間なんだよね。
ふと何かしらの衝動や証明にとらわれる事を除いては、
普通に家庭を持ち、妻や子供達にも普通に接してるし、
犯罪に関しても、素人なのであれこれ考えながらやってたりして、
そんな犯人の様子がどことなく明るくコミカルに描かれてるせいか、
見てる方も時折その不器用な研究熱心さが
犯罪の為だと言う事を忘れてしまいそうになったり、
そう言った人間の心の中にある感覚の危うさ・・
も本作の恐ろしさの一つに思えた。

衝動にかられてそれを突き詰めなければ気が済まない犯人・・。
でもそれはサスキアを探し続けるレックスも同じだったのかも?
愛してるから探し続けるのは当然・・だけど、
他に大切な人が出来てもなお同じ事をし続ける・・
それも他人に頼るのではなく、
自分自身がハッキリさせないと納得出来ない・・ 
何かにとりつかれた様な彼のその先は・・・(>_<)

一杯のコーヒー・・・
自分ならどうするだろう・・ってつい考えてしまう。

そうした感覚(好奇心?)が生まれた時、
あの金の卵の世界に閉じ込められてしまうのかな・・?
自分にもそうなりやすそうな感覚があるからこそ
本作に恐怖を感じてしまったのかな?

これは「失踪」のオリジナルだったのね。 
だから途中までは見た事ある様な内容だと思ったけど
(「失踪」は随分昔に見たので記憶が曖昧だけど)
途中からは雰囲気が全然違う様にも感じたわ。
こんなにじわじわ・・だったっけな?とか。
それに確かあちらは新しい恋人が事件解決にかなり関わって
ラストも普通におさまった様な記憶・・??
何にしても、本作の様なラストではなかったのは確か。
だって、もし同じならもっと衝撃的で騒いでたと思うので。(>_<)
で、確かあちらを見た時は、
なんで普通に捜査しないの?だってアメリカだしFBI頑張るやろ?
・・とかそっち方面のが気になったけど
(主演もそう言うのを連想させる俳優だったし笑)
本作では、そう言う捜査云々よりも、
自然と人間心理(レックスにも犯人にも)に気持ちが行きやすかった。
と言うか、それこそがこの物語のキモだったんだろうな、と
本作で理解出来たのが何より良かった。

【追記】
「失踪」も本作と同じ監督さんだった~。 
じゃあ本作を見てから「失踪」を見た方が良かったのかもね?
だって、救いようがない本作でドンヨリしても、
「失踪」のが確かそれより安心する終わり方だった気がするから
それでドンヨリが解消されたかもしれないもんね?? 
でも自分は本作のが好みだけども。 


(監・脚・製)ジョルジュ・シュルイツァー (製作)アンヌ・ロルドン
(主)ベルナール・ピエール・ドナデュー ジーン・ベルヴォーツ 
ヨハンナ・テア・ステーゲ グウェン・エックハウス


まるでホームドラマの様なワンシーン。。。( 一一)
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