静かなる叫び

89年12月。モントリオールの理工科大学に通う女子学生ヴァレリーは就職活動にも頑張っていた。そんな時、構内にライフル銃を持った男子学生が現れ、女子学生を標的に次々と発砲し始める。



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ヴィルヌーヴの過去作と言う事で鑑賞。
ビデオスルー作品かと思ったら、
一応<未体験ゾーンの映画たち2017>で上映はされたらしい。
89年にモントリオール理工科大学で実際にあった乱射事件が元で、
犠牲者を追悼する為に作られた作品の様。

昔のフランス映画の影響を受けてそうな映像センス。
降りしきる雪の静けさや構内の恐ろしいパニック状態などの
メリハリやふとした物の示唆等にも目が離せずとても良かった。
実際の悲惨な事件の作品なので、
良かったなんて言葉を使うのはかなり気が引けるけれど、
犠牲者の方々を忘れず事件を風化させない、
知らなかった人達(自分の様に)にも知って貰うと言う意味でも
そう思えたし、モノクロなのも
記憶と記録の両方を尊重している様にも感じられた。

確かに・・こんな時代だったよね?
女と言うだけで見下され、可能性も潰される様な。
けど、女が社会に進出し出したからって
自分のダメさをそのせいにして襲撃って・・
ただの頭おかしい人なだけですが。

あの心優しい青年は何故自殺を・・と思ったけど、
実際に事件がトラウマになって自殺した学生もいたとか。
もしかしたら自分を責めてしまう所もあったのかも・・
あんな勇敢な行動なかなか出来るもんじゃないのに・・
可哀想でならない。
自己中の殺人者も、心優しき青年もどちらも同じ男・・
どちらも母と言う女性から生まれ、これまで育まれて来ただろうにね。

ヒロインが願う、男には優しさを、女には羽ばたきを、
みたいなの、解る気がする。
と言うか、あの時代の自分ならものすごく賛同してただろうし、
イマ(令和)に至っては当たり前の様にも思う。
ただイマは・・現実にはどうだろう? 
本作とは逆に、過激なフェミニストが全く違う方向に暴走・・
多様性を隠れ蓑にした見えない暴力~破壊が蔓延ってはないか?
・・と言う皮肉も。
なぜそんな事になってしまったのか、
本作は本来の純粋な希望や理想を今一度思い出すきっかけにもなるかも? 


(監・脚)ドゥニ・ヴィルヌーヴ (脚)ジャック・ダヴィッツ
(主)マキシム・ゴーデッド セバスティアン・ユベルドー 
カリーヌ・ヴァナッス エヴリーヌ・ブロシュ 
ジョアンヌ=マリー・トランブレ ピエール=イヴ・カルディナル




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