舞踏会の手帖
若くして未亡人になってしまったクリスティーヌ。20年前に社交界デビューした時の手帖を見つけた彼女は、その時のダンスのお相手達を訪ねてみようと思いつく。
1937年の白黒映画。
映像技術的に(今より)限界があっても、
光や影などでこんなに世界(雰囲気)を描き分け出来るんだと思わされるし、
その手作り感がとてもいい。
物語も、ある意味オムニバスだけど、
一つ一つが丁寧に描かれていて好感が持てた。
ヒロインは社交界デビューのあの日を懐かしみ、
当時知り合った男性達を訪ねていく・・んだけど、
幸せを一番感じた時をもう一度思い出し、
気持ちを新たにしたい、って思ったのかな?
でも、あれだけの恵まれた生活があっての事だったし、
正直、最初は、
自分をちやほやしてくれる誰かを求めてただけにしか見えなかった。
後には、自分が誰かに依存するだけではない、
自分である証明が欲しかったのかな?
・・と言う感じもあったけれどどうなんだろう?
あの日を境にしてそれぞれの男達が歩んでいる人生
(20年を経て引きずっているものも忘れ去られたものも)、
その中のいくつかの残酷な運命に自分が関わっていたとわかっても
さほど精神的変化(ダメージ)はなかった様にも見えて、
ヒロインにはあまり感情移入は出来なかったかな。
あ、当時の自分と同じ年頃の若い娘と遭遇した時には
さすがにダメージ?受けてたみたいだけど、
それって自分のコトだけだし。( ̄∇ ̄;
ただ、そんなヒロインの感情を抜きにしても、
出てくるそれぞれの男達の人生がそれぞれに興味深く、
考えさせられるものもあり面白かった。
それぞれの男達・・
一人目からモロじゃないの・・母親が気の毒過ぎる。
二人目は、なるべく罪が軽くなる様に仕向けるってのにちょっと笑った。
ファーザーになった人は・・気の毒な部分もあったけど・・
若い娘が好きだったのね。(オイ)
と言うか、曲を作るだけで想いが通じるんだったら世話ないしなあ。
山男・・うん、ガンバレ。
かまってちゃん女より山。それでいい。気を付けて。
声のデカい人・・傍目に成功しててもその実、大変だなぁ。
奥さんのおおらかさは彼の救いになるのかも。
医師・・悲惨・・罪は罪としても、助けられないものか。
美容師・・明るい人もいてちょっとホッとした。
他にもいたっけ?あ、最後の人?
ヒロインの心情がよくつかめなかったので
あんまりピンと来なかったんだけど、
その息子のお世話に第二の人生捧げるって事なのかな?
声のデカい人の顛末知ってたっけ?それ知ってこそ?
まあ何にしても、男達はみんなそれぞれに
ヒロインの何倍も苦労してるの見てしまうと、
ヒロインの覚悟以上に、
全ての男達のこれからに幸あれ・・と願わずにいられない。
これ現代版でリメイクしても面白そうな気がするなあ。
(既にしてたりして?知らないけど)
(監)ジュリアン・デュヴィヴィエ (脚)アンリ・ジャンソン
(主)マリー・ベル フランソワーズ・ロゼー アリ・ボール
フェルナンデル ルイ・ジューヴェ ピエール・リシャール=ウィルム
ガブリエル・フォンタン シルヴィー ピエール・ブランシャール
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